クリーニングお役立ちコラム
Cleaning Tips
クリーニング屋さんはどんな風に洗ってるの?
ドライクリーニングとは?
皆さんは、お洋服をクリーニングに出すとき、どんな基準でお持ちいただいていますか?
なんとなく「このセーターは家では洗えないから」「家で洗うと縮んでしまいそう」「キラキラ飾りがついてるから」など素材を見て決めていますよね。
あとは、「とってもお気に入り!だから」というのも重要な判断基準ではないでしょうか?
そもそも、クリーニング屋さんでは、大切なお洋服をどのように洗っているのでしょうか。
今回は、クリーニング屋さんにおける「衣類の洗い方」について書いてみます。
クリーニングの洗い方は、大きく分けて3つ!
ドライクリーニング
ウェットクリーニング
ランドリー
それぞれ生地に与える影響や、落とせる汚れの得意分野が違います。最適な洗い方はどれか?まずはもっとも重要な選別作業を行い、洗い方を決めていきます。
ドライクリーニング
有機溶剤を使って洗います。有機溶剤とは、石油などから出来ている揮発性の液体で、この液体自体に洗浄効果があります。おうちの洗濯に例えると、お水と洗剤の代わりにこの溶剤が入ってるような感じですね。
水洗いすると型くずれや、色落ちしてしまうようなデリケートな衣類でも、風合いを損なうことなく洗えます。
この溶剤は油溶性なので同じ油溶性のよごれ(油脂や化粧品等)は良く落ちますが、
水溶性の汚れ(汗、タンパク質、糖類等)は少し苦手です。そこで、洗浄効果を高めたり、水溶性の汚れも良く落ちるように界面活性剤(ソープといいます)を加えます。また、
ソープはお洗濯中の衣類への再汚染も防いでくれます。
あとは、温度や時間、ソープの濃度、その日の気温などいろいろな要因が汚れ落ちに関係
してきますので、そこは職人の腕の見せどころとなります。
ウェットクリーニング
本来はドライクリーニングするべき物を、40℃以下のぬるま湯で中性洗剤をつかって
衣服の原形を損なわないように水洗いすることです。
衣類の中にはドライクリーニングが出来ないものもあります(合成皮革製品や、ゴム引き
製品、顔料プリントのついたもの等)ゴム引き製品ってナンダ?とわかりにくいですが、
ゴムはなんとなく向いてなさそうな感じがしませんか?某有名メーカーの主力商品のコートはゴム引き製品で出来ています。洋服の裏地に付いている、品質表示に記載がありますよ。これらは、ドライクリーニングで溶けたり、生地が剥がれたりしてしまいます。
また、水溶性の汚れが多いためにウェットクリーニングの方が適する場合もあります。
ランドリー
ランドリーも水洗いのことですのでお家の洗濯と似ています。
ですが、お水の質が重要で、ph(ペーハー)を中性にした軟水を使います。また、水温も高いですし、洗剤のほかにアルカリ剤を入れて汚れ落ちをよくしたりします。
ほかにもいろいろ気を付けるところがありますので、実際はおうちの洗濯とはかなり違うと思います。とても汚れ落ちに優れているので、Yシャツなどの洗濯に向いています。
1点1点すべて違う、お客様の大切なお洋服が最大限キレイになって、型崩れもしない洗い方はどれなのか?そこのところの見極めはとても難しいのです。
もちろん、そうする事がクリーニングで一番重要な「しっかり洗って清潔にしてお返しする」ということにつながっているのです。